会社Leaf
OSWin98/ME/2000/XP
CPUPenV 500MHz以上
HDD1GB以上
ドライブDVD-ROM 2倍速以上
システム90点
ビジュアル90点
シナリオ85点
音楽80点
エロ90点
総評85点


<ジャンル>
アドベンチャー


<ストーリー>
 新型の高速実験船『バシリスク』号の試運転に同行出来る事になった主人公・香月恭介とその友人たち。
 海上のバカンスに羽を伸ばしていた矢先、船は救難信号をキャッチし、一人の男を救助する。
 男の名は岸田洋一。彼は初めは気さくなしがない研究者として振舞っていたが、突如としてバシリスク乗務員を皆殺しにするという暴挙に出た。
 彼は初めからこの船を乗っ取るつもりでいた殺人鬼だったのだ。
 命からがら生き残った恭介と仲間達。怪物じみた体力と知恵を併せ持つ殺人鬼を撃退し、見事生き残る事ができるか?!


<主な登場人物>

<香月恭介>(名前変更不可)
 主人公。普段は割りとそっけない態度をとっているが、いざという時にも頼りになる肝が据わった少年。
 突然理不尽な状況に追い込まれながらも知恵と勇気を振り絞って岸田に立ち向かう。
 妹のちはやにだけはめっぽう甘い。

<折原明乃>
 恭介の幼馴染み。恭介を「恭ちゃん」と呼び、慕っている。
 かなりのんびりした性格で緊迫した状況にあっても言動がゆっくりしている。
 最近自分の身体が女性らしく丸みを帯びてきたことを必要以上に気にしている。

<片桐恵>
 明乃の親友。あまり感情を大きく出さないクールな優等生。
 恭介同様肝が据わっており、常に冷静に振舞う。明乃を初めとして仲間達から深く信頼されている。

<香月ちはや>
 恭介の実の妹。
 兄の事を慕っているが、普段は周りの目を気にして一歩引いている。
 家事全般が得意というパーフェクトシスター。

<綾之部可憐>
 恭介たちの友達。旧家の娘。
 実家の躾で礼儀正しく振舞っているが、恭介など気心の知れた相手には生来の激しい気質を見せる。
 自分の名前が似合っていないことを気にしている。

<綾之部珠美>
 可憐の妹で恭介の”映画友達”
 可憐とは似ても似つかぬ容姿と性格。ひたすら元気なのがとりえ。
 なかなかぶっとんだ発想と行動で常に姉や友人たちを振り回している。

<折原詩乃>
 明乃の母親でバシリスク号の開発責任者。
 明乃の母親でしかも研究者とは思えないほどの美人だが、その性格は研究以外についてはテキトーで無頓着。
 船員たちからの信頼は厚い。

<早間友則>
 恭介の親友で悪友。
 肝が座っていないが自意識が強い。ちはやを狙っている。

<岸田洋一>
 バシリスク号が救助した謎の男。
 バシリスク号の船員を皆殺しにし、さらに恭介たちにも牙を剥く。捕らえた女性は容赦なく陵辱する。
 怪物じみた体力と知恵を持ち、恭介たちを追い詰める。


<システム―90点>
 普通のADV形式。
 必要なものは全て揃っている。なかなか便利。
 選択肢やフラグによってアイテムが手に入り、状況に合わせて必要なアイテムを持っているかいないかでまた話が分岐していく。


  <ビジュアル―90点>
 キャラデザイン、原画はLeaf系二次創作で同じみなピメコ氏とトメ太氏。
 数えてみると総CG枚数は平均よりも多少少ないくらいだが、差分が多いせいかシナリオのせいか、実際にプレイする分には不思議と少ないとは感じない。
 みつみ美里嬢がグラフィッカーチームの主任をしていることもあってクォリティは高い。
 今回は作品自体がエロに重点を置いていることもあってエロCGの比率がかなり高い。そしてエロい。


<シナリオ―85点>
 船の上という閉鎖空間で仲間達と協力して敵を倒すのが目的。でも当然そんなことトントン拍子に進むはずが無く、取るべき行動について意見が分かれていざこざが起こったり、仲間の裏切り疑惑で疑心暗鬼になったり、緊張感に耐え切れず錯乱してしまったりと、特に精神的な面でのトラブルが次々と起こります。追い詰められた状況の中でしだいに本来の自分を見失っていくメンバーの描写がなかなかリアルです。
 また、サスペンスに必要不可欠な”推理”の要素も完成度が高く、どんどん先を読みたくなる内容になっています。
 敵・岸田との対決時など、ピンチを乗り切るために必要なアイテムの組み合わせになかなかシビアなものもあり、必要なアイテムを取り直すために大分前のセーブからやり直し…ということもあるでしょう。
 攻略難易度はADVというジャンルの中ではそこそこ厳しいものだと言えます。サスペンスゲームである以上、個人的にはこれくらいで丁度良いと思いますが。
 『サスペンス+エロ』というテーマに沿って評価するならかなり出来の良い作品だと言っていいです。
<以下、微妙にネタバレ。反転して読んでください>
 個人的にはメインヒロインの明乃の見せ場が少なかった気がします。『エロシーン』という意味では明乃が一番活躍するのですが(笑)、にもかかわらず何故か主人公との純愛エッチが無く(珠美もだけど)、しかもエロ以外のシーンで特に活躍することもないので『見せ場』がないのです。
 むしろ恵の方がよっぽど見せ場が多く、メインヒロインらしい立ち振る舞いをしています。
 幼馴染みで、主人公を慕っていて、頭のネジがちょっと緩くて、ウブなくせに淫乱で…と、明乃はキャラクターとしてはとても魅力的なだけに残念です。
 ファンディスクなどで再登場の機会があれば是非、後日談などのエピソードで純愛エッチと見せ場を用意してあげて欲しいです。
 テケメケが個人的に好きなヒロインは明乃、ちはや、恵ですね。


<音楽―80点>
 出来は悪くないのですが、Leafにしては珍しく特に印象に残るほどの楽曲はありませんでした。
 ゲーム音楽としては充分なクォリティを保っているのですが、Leafは音楽の面においても常に高いレベルを維持してきた老舗なので、正直言うともう一歩踏み込んでもらいたかったところです。


<エロ―90点>
 エッチシーンに関しては以外にも暴力で痛めつけるシーンは少なく、むしろ船の機関や器具、そして言葉で精神的に追い詰めるといったものが多くなっています。みんな元々イカれた状況に晒されていたこともあってどんどん壊れていきます。
 『雫』『痕』時代のLeafを思い起こさせるような濃いエロシーンが見れます。(特に明乃)
 ただし、一部の純愛シーンを除くと鬼畜一直線なので”痛い系”がダメな人は気を付けて。


<総評―85点>
 『エロ+サスペンス』という意味ではかなり完成度の高いゲームと評価して良いと思います。
 追い詰められて初めて露呈する人間の本質とか、欲望丸出しの打算的な行動とか、色々とドロドロしたものが見れます。
 エロも濃いのでそっち方面でも実用度は高いかもしれません。
 そして何より、ゲーム中ずっと漂っている緊張感がイイです。
 オススメのゲームではあります。ただ、何度も言いますが鬼畜なシーンが多いのでそういうのが苦手な人は手を出さない方が無難です。

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