君が呼ぶメギドの丘で
会社
Leaf
OS
Win2000/XP/Vista
CPU
Pen4 1.4GHz以上 (推奨 Pen4 2.0GHz以上)
HDD
4GB以上
メモリ
512MB以上 (推奨 1GB以上)
デバイス
DirectSound対応のもの
ビデオカード
DirectX9.0cに完全対応のもの(VRAM64MB以上)
ビジュアル
95点
シナリオ
80点
音楽
75点
エロ
85点
システム
80点
総評
85点
<ジャンル>
RPG
<ストーリー>
孤児院出身の青年ベーグルは「遺跡発掘」とは名ばかりの盗掘家業で身を立てていた。しかし戦火が近いたことで遺跡を離れざるを得なくなり、孤児院を共にした幼馴染のマリアを頼って東の端の町ソルトベルを訪れる。ソルトベルの近くには「世界の果て」と呼ばれる天を突く程に巨大な砂の壁が横たわっていた。 ベーグルは興味本位で世界の果てを見学に行くが、彼はそこで世界の果てを越えて来たという少女に出会う。少女の名はリノン。彼女はベーグルを救世主と呼び、世界の滅亡を食い止めるために力を貸して欲しいと言うのだった。世界の命運を巡る歯車が動き出そうとしていた…。
<主な登場人物>
<ベーグル・ロコ>(名前変更不可)
主人公。RPGの主人公とは到底思えないろくでなし。
絵に描いたような博愛主義者で、特に女の子には下心込みで優しい。しかし、いわゆる「熱血」とは程遠く、おっちょこちょいですぐに弱音を吐く。しかも戦闘では回復と補助を担当。本当に主人公らしくない主人公だが、過酷な旅の中で次第に救世主の自覚に目覚め、成長していく。
<リノン>
「世界の果て」を越えてやって来た少女。「悪魔三柱」の一柱。
ベーグルにオリジナルの聖書を渡し、救世主に選ぶ。旅の始まりのきっかけとなる少女。
明るく裏表の無い性格。ベーグルを慕っている。戦闘では攻撃魔法担当。
<ヤハ>
リノンと同じく、悪魔三柱の一柱。
一人で飛び出していったリノンを連れ戻す為にやって来た。
リノンとは対照的にあまり愛想の無い性格。ベーグルのことも毛嫌いしており、あまり心を開かない。
戦闘では物理攻撃担当。
<マリア・ロコ>
ベーグルと同じ孤児院出身で、現在はソルトベルでシスターをしている少女。
正義感が強く、面倒見も良い。困っている女の子を見つけては片っ端から助けて回るベーグルに呆れ果てながらもなんだかんだと手助けしてしまう苦労人。
戦闘では攻撃に回復に敵ステータス低下にと幅広く活躍。
<ナタス>
リノン、ヤハと並ぶ悪魔三柱の一柱であり、災厄の預言者。
落ち着いた物腰の美女であり、パーティーには加わらないものの要所要所でアドバイスをくれる頼もしい人。
<セシリア・キュベレー>
教会の所有する「聖騎軍」の軍団長で、「焼結の乙女」とも呼ばれる女戦士。
うら若い少女でありながら、冷静沈着にして一騎当千。部下たちからの信頼も厚い。
<エレミア・エウリスミア>
教会において信者たちの羨望を集める聖女。しかし、その実態は守銭奴。
金銭の収集に貪欲な一方、聖女としての実力も本物で、二つの顔を使い分けて今日も彼女を金を集める。
<バディ>
スウェンに付き従って行動する第四の悪魔。
スウェンの命令に絶対服従で他のことには目もくれない。巨大な鎌を軽々と扱い、ベーグル達を追い詰める。
<スウェン>
バディを引き連れて現れる謎の男。
何事にも動じない冷静さと圧倒的な戦闘力を持った強敵。
<チャド>
ベーグル達が旅先で度々遭遇する、義賊を名乗る女性。
あっけらかんとした自由な性格で、ベーグルに負けず劣らずのおっちょこちょい。
腰には立派な剣を提げているが、「ぜったいに抜かない」と豪語して戦いには参加しない。
<ビジュアル―95点>
メイン原画家に「夜が来る!」などでおなじみのKaren氏を迎え、4人のLeaf原画陣もそれぞれ一人ずつヒロインを担当されてます。
イベントCGに関してはほぼ完璧です。業界トップクラスの画力は相変わらずです。総CG枚数もおよそ80枚と及第点です。
今回の目玉である3Dも意外に可愛らしく仕上がっており、十分に見れるレベルです。むしろ問題はパソコンのスペックの方ですね…。
<シナリオ―80点>
僕は好きですが、正直言って好き嫌いの分かれそうなシナリオではあります。
まず主人公が女たらしであり、なおかつ完全に開き直っているという点で割と多くのプレイヤーから苦手意識を持たれてしまうのではないかと思います。 女性をはべらせているという点ではうたわれのハクオロやティアーズのアロウンもそうなのですが、ベーグルは男性視点で見て「カッコイイ!」と思えるキャラではないのかもしれません。 ベーグルにはシナリオライターの独特の救世主像が強く反映されています。なぜベーグルでなければならないのかという点に気づく必要があります。ハクオロを「智のヒーロー」、アロウンを「勇のヒーロー」とするなら、ベーグルは「仁のヒーロー」ですね。
ベーグルの性格さえ受け入れられれば、あとは普通のRPGです。
ガツンと感動させられるようなシーンはあまりありませんが、キャラ同士の会話はシリアスシーン、ギャグシーン共に面白いので飽き無く進められると思います。個人的にはちょっと話の展開が唐突に感じる部分が何度かありましたが。
あと、キ○○ト教の聖書の内容をあからさまにもじった設定や名前が多数登場するので、そういうのが苦手な方はお気をつけください。
<音楽―75点>
Leafの作曲チームの仕事なのでぬかりは無い…と言いたいところですが、RPGなのに戦闘曲が充実していないのはちょっといただけません。
ボス戦なのに平気で通常雑魚戦の曲と同じ曲がかかることすらあります。曲数そのものは十分なのに…。RPGプレイヤーの心理をわかってほしかった。クォリティも高いだけに残念です。
<エロ―85>
エロシーンはヤハ、ナタス、セシリア、バディが各1回。リノンは3回。マリアは2回。(といってもリノンの2回とマリアの1回はそれほどボリュームは無いので、基本は1回と考えてください)エレミアには無し。
CGと声優さんの演技共に高クォリティですが、ToHeart2XRATEDなどに比べるとやはり多少ボリュームは少ないです。
RPGのおまけとして考えれば十分でしょうが、エロゲーとして考えると「大満足!」とはいかないかもしれません。
<システム―80点>
基本的には3Dのマップを走り回る普通のRPGです。
難易度をストーリー<簡単>・バトル<普通>の2つから選ぶことができます(一度クリアするとデビル<難しい>が出現)。おすすめはやはりバトル。それなりの難易度ですが、RPGをやっているという気分になります。
レベルアップ時にボーナスポイントでステータス強化可能。キャラ特性を覆すことはできませんが、長所を伸ばしたり短所を補ったりという程度の調節は可能。
また、スキルポイントを溜めてキャラの技や魔法を改造できます。威力を高めたり、効果範囲を単体から全体に広げたりといった具合です。
世間の皆さんの総プレイ時間は30時間強だそうです。僕は55時間かかりましたが…。(汗)
<総評―85点>
シナリオ後半の「打ち切りが決まって無理やりクライマックスにしたアニメ」みたいな印象が気になってしまいます。話の流れを大事にして欲しかった。
とまあ、否定的な意見ばかり書いてしまいますが、それでも総合成績は優秀です。エロRPGとして見れば良作。Leaf作品として見たら「もう少しだけ練りこんで欲しかった」というのが正直な感想です。シナリオを再編集して完全版とか出してくれるなら買ってしまうかもしれません。
エンディングには賛否両論ありますが、僕は好きです。何より創作意欲を刺激されます。
ちなみにテケメケが個人的に気に入ったヒロインはマリアとセシリアです。
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