セラフィックブルー

作者天ぷら
使用ツールRPGツクール2000
総評100点


<ジャンル>
 RPG


<ストーリー>
 東方大陸の小さな村ココモの孤児院で育った青年レイクは20年前から突如として出現し、人々を襲って苦しめている”イーヴル”を退治することで報酬を貰うイーヴルスイーパーで生計を立てていた。
 ある日、彼はいつもの様に仕事の依頼を受け、イーヴルが潜んでいるという森に向かう。レイクは無事に仕事を終えるが、その時彼の目の前に謎の少年が現れる。少年はいきなり怪物を召喚し、レイクに襲い掛かる。絶体絶命の危機に陥るレイクだが、そこにさらにレイクと同じ年頃の少女が割って入り、怪物を退ける。少年は姿を消し、少女は意識を失って倒れた。レイクはその少女を知り合いの医者の家に運ぶが…。

<システム>
 クリアするのに50時間以上必要な超大作RPG。
 敵を倒しながらストーリーを進めていくというオーソドックスなRPGであるが、戦闘システムやメニュー画面、パラメーターが自作になっており、さらにクリアしたエピソードの内容を振り返る事が出来たり、数多く登場するキャラクター達のプロフィールデータを閲覧出来たりとかなり凝っている。
 ストーリーは全体的に暗めで、必ずしも大衆向けとは言いがたいが、フリーウェアの常識を覆す程のボリュームであるにもかかわらず、中弛みが無く、プレーヤーを飽きさせないだけの力があり、伏線の張り方やイベントの演出などどれをとっても他のフリーウェア作品達とはレベルが違う。プロの域と言っても過言ではないだろう。
 戦闘におけるゲームバランスは結構難しめ。単純なレベルよりも装備や戦術を重要とするものになっている。特に中盤以降のボス戦は二手三手は先を読んで戦わないと勝てない。ストーリーだけではなく、戦闘システムにおいても凝った作品である。

<総評>
 ゲーム全体を通して重い空気が漂っており、テキストも少々クセのある書き方なので受け付けられない人もいるかもしれない。さらに戦闘がRPG熟練者向けなのでもはや大衆向けとは呼べないだろう。しかし話の内容とイベントの演出は間違いなく一級品だし、キャラクターも個性的できっと気に入るキャラも見つかると思う。
 このセラフィックブルーは間違いなくRPGツクール2000によるフリーウェア作品を代表する一本に数えられる傑作である。暇があるなら是非プレイして欲しい。

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