Tears to Tiara

会社Leaf
OSWin98/ME/2000/XP
CPUPenU 500MHz以上
HDD2GB以上
ドライブDVD-ROM 2倍速以上
システム80点
ビジュアル85点
シナリオ100点
音楽90点
エロ85点
総評90点


<ジャンル>
シミュレーションRPG


<ストーリー>
 ゲール族の少女リアンノンは千年前の大戦で世界を守ったという妖精王の血を引き、星の巡りから未来を見通す力を持っていた。
 ゲール族の村に帝国の魔の手が伸びていることに気付いたリアンノンは自分ひとりを残して村人全員を遠くに逃がす。
 帝国の司祭ドルウクは世界を滅ぼす魔王の復活の生贄としてリアンノンを誘拐するが…。


<主な登場人物>

<アロウン>(名前変更不可)
 主人公その1
 千年の眠りから復活した大魔王。
 世界を破滅に導くと言われていたが、どうやら伝承そのものが間違っていたらしく破滅なんてものには少しの興味も無かった。
 普段はダンディに振舞っているが、時折素直じゃなかったり強がったりするなど子供っぽい一面も持ち合わせた素敵な魔王。
 戦闘では万能タイプ。

<アルサル>
 主人公その2
 リアンノンの兄にして、ゲール族一の戦士。
 真面目熱血無鉄砲という古き良き主人公。(笑) ゲール族の掟、誓約を何より大事にしており、その為に生き、その為に死ぬことを良しとする。
 さらわれたリアンノンを助け出す為に帝国に戦いを挑むことを決意する。
 戦闘では戦士タイプ。

<リアンノン>
 ゲール族の族長の娘にして託宣の巫女。アルサルの妹
 明るく心優しい少女。軽く天然入ってる。色々あってアロウンの奥さんになる。
 妖精王の血族であることを帝国に知られてしまい、魔王アロウン復活の生贄として捧げられるために司祭ドルウクにさらわれる。
 戦闘では回復担当。

<オガム>
 アロウンの補佐役を務める賢者。
 強力な魔法と豊富な知識を持ち、偵察係としても優秀。アロウンの手となり足となって働く。
 普段は真面目だが長い年月を生きた余裕なのか、お茶目な一面も見せるいかしたジジイ。
 戦闘では攻撃魔法担当。

<モルガン>
 ゲール族の戦士でアルサルの部下。リアンノンの姉貴分(?)
 明るさと元気と弓の腕だけがとりえのバカ。
 憎めないトラブルメーカー
 戦闘では弓による中距離攻撃担当。

<リムリス>
 家付き妖精。
 アルビオン島の古城アヴァロンで家事に勤しむ日々を送る妖精。
 家事こそが生きがいであり至上の喜びという、メイd…いや、家付き妖精の鏡。
 誰にでも優しく振舞える大きな心と、家付き妖精としての誇りを大事にしている。
 戦闘には参加しない。

<エルミン>
 家付き妖精。リムリスの後輩。
 立派な家付き妖精を目指す見習い妖精。リムリスと比べるとまだまだ未熟だが、彼女と共にアヴァロンで働く。
 純心無垢で疑うことを知らない子供のような少女。
 戦闘には参加しない。

<ラスティ>
 鉱山妖精。
 怪力と鍛冶の技術に秀でた鉱山妖精で、アヴァロンの一角でひっそりと金物屋を始める。
 性格が優しすぎるのか、どこか頼りない印象を受けるが、鼻メガネをかけると性格が変わる。
 戦闘では戦士タイプ。

<エポナ>
 靴作り妖精。
 お調子者で金にガメツイ妖精族の少女。
 アロウンと出会ってからはアヴァロンに留まって道具屋を開いているが、時々怪しいアイテムを仕入れてはアルサルやリアンノンで実験する。
 戦闘には参加しない。

<スィール>
 アザラシ妖精。
 全体数が減っている妖精族の為に、お婿を探して海から陸に上がってきたものの、とあるトラブルで海に帰れなくなってしまう不幸な少女。
 自信が無く、何かあるとすぐに自分の不幸っぷりを嘆いている。実は子供をあやすのが上手い。
 戦闘では攻撃魔法、回復魔法両面で活躍。

<オクタヴィア>
 元は帝国の兵士だったが、とある事情からアロウンの軍に加わる事になる。
 帝国の兵としてというよりも”騎士”としての誇りを持って戦うことを良しとする熱血な女性。
 戦闘では万能タイプ。

<タリエシン>
 旅の吟遊詩人。
 キザでどこかふざけた印象を受けるが、その下には熱い闘志を隠した青年。
 詩のネタを求めてはアヴァロンをうろついている。
 戦闘では弓による中距離攻撃と歌による援護を担当。


<システム―80点>
 今回のウリであるところのシミュレーションパート。
 基本的に、最初に部隊全体に大雑把な指示を与え、後しばらくはのんびりと観戦。戦況に応じて指示を修正しながら進めていきます。勿論キャラ個人別に指示を与えることも可能。レベルと装備が充分に強ければプレーヤーは何もしなくてもオートで完勝することもできる。勿論ボス戦や終盤の難易度の高いステージはそう易々とはいきませんが。
 このゲームには傭兵システムが存在し、お金を払うことでメインキャラ達以外にも兵を操作することが出来ます。傭兵はメインキャラに比べて僅かに基本ステータスが低いですが、転職が可能なので時間をかければメインキャラよりも多様なスキルを修得することができます。イベントの都合でメインキャラが少人数しか出撃できないステージがいくつかあるので傭兵は最低4人は鍛えておくことをオススメします。
 個人的にはこの戦闘システムはかなり気に入ってます。レベルと装備で力押しが可能なのであまり戦略性はありませんが…。(笑) 『うたわれるもの』の様にキャラ達にいちいち指示を出すのではなく軍全体に指示を出す感じなので、司令官気分が味わえます。
 長距離を移動するときにずっと待ってないといけないのでダレそうになることはありましたが、まあクイック機能もあるのでなかなか遊べるのではと思います。
 そしてアドメンチャーパート。
 シミュレーションパートで力を使い切ってしまったのか、アドベンチャーパートの作りが大雑把だったのが残念でした。
 オプション画面もオートモードもありませんし、ほとんど画面上のツールバーからの操作になります。そしてセーブ可能な場面が自由行動可能な場面と戦闘の前後だけで、会話中はセーブ出来ないというのもちょこっと不便でした。


  <ビジュアル―85点>
 原画は今作が原画デビューとなる古寺成氏。
 新人なのかグラフィッカーからの出世なのかは定かでないが、ポップで可愛い絵を描きます。
 塗りも丁寧ですし、十分に楽しめるクォリティだと思います。
 ただどうも絵柄が安定しておらず、一部のCGで本当に同一人物が描いたのかと思うくらい絵柄が変わっているものがあります。
 CG枚数は個人的には期待していたよりも多かったのでそれなりに満足です。


<シナリオ―100点>
 割りと王道なファンタジー巨編です。千年の時を超えて復活した魔王と妖精王の魂を受け継ぐ青年の友情と戦いが描かれます。
 全体的にはのんびりとした明るい雰囲気で『うたわれるもの』に近い感じです。人の生き死にに関わる描写が少ないのでうたわれよりももっと呑気かもしれません。
 日常のシーンでは主に女性陣が活躍し、アロウンとの絡みで笑わせてくれますが、話の主軸に関わる話になると急に漢(おとこ)達が出張ってきます。
 漢達が良い味出し過ぎです。アロウンといい、アルサルといい、オガムといい、みんな良い漢過ぎます。あれ?コレってギャルゲーだよな?って思ってしまいます。
 女性陣はあくまで脇役、時代を動かすのは漢の役目だぜ!って感じでしょうか。
 今回はうたわれみたいなぶっとんだ設定は無く、意外性を持ちつつも剣と魔法のファンタジー世界観を壊さない形に落ち着いています。
 ストーリーの始めの方からガンガン伏線を張ってくるのでプレーヤーとしてもどんな意味があるのかとても楽しみですし、最後までやればキチンと全ての伏線の意味が明かされるので未消化な部分もありません。
 戦いの日々の中でアロウンに導かれ、成長していくアルサルがすごくカッコイイです。男女の愛情よりも漢の友情が目立っているので余計にギャルゲーっぽさが薄れてます。(笑)
 ストーリーの面では何も文句はありません。個人的に好きなタイプの話だったというのもありますが、万人に愛される王道で熱いシナリオだと思います。
 声優の演技もみんな上手いです。


<音楽―90点>
 ファンタジーものらしいファンタジーな仕上がりになっています。(なんだそりゃ)
 Leafのサウンドチームは優秀なので特に褒め称えなくてもいいでしょう。(笑)
 今回は西洋風の世界なのでうたわれと聴き比べると面白いかもしれません。


<エロ―85点>
 Leafにしては珍しく各ヒロインに平均2回はあります。声優さんの演技も上手いので実用性はそこそこあります。ただ、上記したように女性陣は脇役っぽい扱いなのでエッチシーンもあくまでおまけっぽい雰囲気が拭えません。
 エッチシーンを取り除けばそのままコンシューマに移植できそうな感じですね。


<総評―90点>
 アドベンチャーパートのシステムがイマイチだったこと、女性陣の活躍をもう少しだけ丁寧に描いて欲しかったことを除けばかなり満足のいく出来でした。
 ストーリーが熱くて特にアルサルが一度軍を抜けて、そして帰ってくるシーンや、アロウンの過去話のシーンでは胸が熱くなって泣いてしまいました。
 シミュレーションバトルも面白かったですし、なかなかの良作だったと思います。
 熱い話が好きな方には是非遊んで欲しいと思います。

レビュー一覧に戻る inserted by FC2 system