ToHeart2
会社 | AQUAPLUS
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対応ハード | プレイステーション2
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ビジュアル | 100点
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シナリオ | 90点
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音楽 | 80点
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総評 | 90点
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<ジャンル>
恋愛アドベンチャー
<ストーリー>
高校生活最初の一年が終わろうとしている。春には自分は二年生になり、幼馴染みのこのみが入学してくる。
変化の少ない穏やかな日々の中にも新しい風が吹き込んでくる。
俺はこの新しい季節の中でなにか新しいことが起こる予感がしていた。
<主な登場人物>
<河野貴明>(名前変更可能、ただし変更した場合ヒロインに声で呼んでもらえない)
主人公。ごく普通の高校1年生。
”1”の主人公は『基本的にヤル気無し、でもやれば出来るコ』みたいな設定だったが、この貴明君はもう少し優男っぽいキャラクター。”男キャラ”というくくりの中で見るなら少しおっとりしてるタイプだろう。
女の子に対して少し苦手意識を持つ。
<柚原このみ>
貴明の一つ年下の幼馴染み。貴明が気軽に付き合える数少ない女の子の一人。
小さい身体に無限のパワー。小柄な見かけによらず運動神経が良く、足も速い。
明るく快活で誰とでも早く打ち解けるタイプだが、一方で天然ボケっぽい面も持っており、小さい頃から傍にいる貴明でさえ何を考えているのかわからない時があるという。
<向坂環>
このみと同じく貴明の幼馴染み。ただしこちらは一つ年上。雄二の姉。
小学生の頃に全寮制の学校に転校してしまい、今年に入って急に帰ってきた。
貴明やこのみを実の兄弟と同じくらい可愛がっており、雄二も含めてぐいぐいと引っ張って行動するパワフルお姉さん。
旧家の育ちの為か、躾に厳しかったり微妙に世間知らずだったりという一面もある。
<姫百合瑠璃>
貴明の一学年下の女の子で珊瑚の双子の妹。
元気ではあるが意地っ張りな面があり、珊瑚以外の人とはなかなか素直な気持ちで接する事ができない。
珊瑚のことが大好きで珊瑚に近づく男は片っ端から追い払っている。
勿論貴明もしょっちゅう蹴飛ばされる。
家事全般、特に料理が得意。
<姫百合珊瑚>
貴明の一学年下の女の子で瑠璃の双子の姉。
おっとりとした雰囲気と独特の思考回路の持ち主で、そのテンションについていくのは至難の技。
瑠璃のことが大好きでいつも彼女に友達が出来るようにと画策している。
意外にも頭が良く、コンピュータ関連のことならプロ顔負けの才能を発揮する。
<ルーシー・マリア・ミソラ>
突然貴明の前に現れた自称”宇宙人”
公園に住み、「るー」「うー」などの独特の言葉を多用してコミュニケーションをとる。
貴明の学校に転入してくるが、その突拍子の無い言動で貴明を困らせる。
このゲーム一番の不思議系ヒロイン。
<笹森花梨>
主人公を正体不明の部活だか同好会だかに半ば詐欺じみた方法で入部させるオカルト大好き娘。
普段は元気なハイテンションキャラだが、貴明が部の活動に非協力的だったりすると、潤んだ瞳で迫ってきたり脅迫してきたりとあのテこのテで従わせるという小悪魔的なところがある。
タマゴサンドが大好物
<小牧愛佳>
貴明のクラスの副委員長。しかしクラスメートからは敬意(?)を込めて”委員長”と呼ばれている。
大人しく優しい性格。頼まれごとは断れないタイプ。過剰なほど遠慮する質で貴明が手伝うと言ってもなかなか了承しないこともしばしば。
本来別の人がやるはずの仕事まで抱え込んで”委員長”としての仕事にいそしむ日々を送る。
<十波由真>
あるトラブルから貴明を目の敵にするようになる女の子。
思い込みの激しい性格で、むしろ貴明が自分を目の敵にしているのだと思っている。
ことあるごとに貴明に勝負を挑んでくるが、なぜかそのことごとくに敗れる。
愛佳とは中学時代からの親友。
<向坂雄二>
貴明の幼馴染みで悪友。環の弟。
貴明とは似ても似つかない気さくで気の置けない性格。
女の子が大好きでナンパにいそしむが、彼女ができたことはまだ一度も無い。
<ビジュアル―100点>
さすがというかなんというか。Leaf、もといAQUAPLUSの真価ここに極まれりです。
画力も塗りも高レベルです。光と影の表現とかスゲェ。イベントCGもおおむねこのテのゲームの標準的な枚数です。
立ち絵の種類も割りと豊富なので通常の会話シーンでも楽しめます。
ただ、(この先ネタバレ)
メインヒロインであるはずのこのみにだけキスキーンのCGが無かったのだけはちょっといただけません。キスした後のびっくりした顔のCGはあるんですが…。これだけは残念でした。
<シナリオ―90点>
主人公が平穏な日常の中で8人(隠しヒロインも含めて9人)の個性ある女の子達と出会い、恋を育んでいく様子が丁寧に描かれていきます。
純情な高校生ならではのときめきや初々しいリアクションなど見ていて恥ずかしくなる展開が満載。いろんな意味で"ToHeartらしい"ストーリーに仕上がっています。
”1”を知っている人でも知らない人でも充分に楽しめる内容だと思います。
ちょっと残念なのはシナリオの完成度がヒロインごとにバラつきがあること。先の展開が気になるドラマチックな話や涙を誘う感動的な話がある一方、「え、ここで終わり?」みたいに妙にあっさり終わってしまうヒロインもいます。
ネタバレすると、
愛佳、由真、ルーシー、姫百合姉妹などのヒロイン達のシナリオは完成度が高く、気合の入った内容になっています。しかし花梨や環、特に環はイマイチ盛り上がりに欠け、あっけなく終わってしまう印象があります。ヒロイン自体が非常に魅力的なだけにとても残念です。
ちなみに、劇中いくつかの場面で”1”に関連した話がちょこちょこと出てきます。”1”をやっていないと話の流れを理解できないというほどのことはないのでToHeart初心者の方でも問題なくプレイできますが、”1”をやったことのある人なら思わずニヤリとしてしまうような仕掛けになっています。
<音楽―80点>
BGMの多くが前作”1”の曲をアレンジしたものになっています。
”1”をプレイした人が持っているイメージを壊さない為の配慮とのことですが、正直ちょっとその割合が多すぎた気もします。
せっかく業界でも人気の高い音楽チームを抱えているのですから話が盛り上がった場面やクライマックスだけでも新作ならではのオリジナル曲を使って欲しかったです。
しかし別に全ての曲がアレンジというわけではないし、楽曲のレベルが高いことは事実ですので各シーンを盛り上げる役割は充分に果たしてくれます。
OP、EDのボーカル曲(新曲)もそれぞれゲーム開始前、エンディング後のテンションを上げてくれるいい曲です。
<総評―90点>
一般的に『名作の続編は駄作、あるいは駄作でなくとも結局前作は超えられない』という印象が強いですが、コイツは数少ない例外の一つです。
大丈夫。決して”1”にもひけはとりません。痕、初代ToHeart、こみっくパーティーに続くLeafの新たな看板ゲームになりえます。
同人業界も沸くことでしょう。(笑)
製作スタッフは前作から一新されていますが、前作の持つ雰囲気をちゃんと引き継いでおり、それでいてヒロインの個性やストーリーなどもかぶらせることなく完全な新作として昇華しています。
”1”をプレイした人でもしてない人でも平等に楽しめますし。
ギャルゲー業界の歴史に残る新たな名作と呼んでいいと思います。
テケメケが個人的に好きなヒロインはこのみ、由真、姫百合姉妹。
好きなシナリオは姫百合姉妹、愛佳、ルーシーですね。